法律事務所のホームページから相談を集めるには、「地域名+離婚 弁護士」のような検索で事務所のページが見つかる状態を作る必要があります。そのための取り組みがSEO対策です。
この記事では、弁護士・法律事務所のSEO対策を、キーワードの選び方、取扱分野ページとコラムの作り方、プロフィールの整え方の順に解説します。弁護士特有の広告ルールとの両立のしかたも取り上げます。
この記事でわかること
- 法律のテーマでGoogleが重視していること
- 実際の検索数から見たキーワードの選び方
- 取扱分野ページ・解説コラム・プロフィールの作り方
- 広告ルールを守りながらSEOを進めるポイント
法律のテーマでGoogleが重視していること
Googleは、人の健康や安全、経済的な安定などに大きく影響するテーマを「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼び、こうしたテーマでは信頼できるコンテンツを特に重視するとしています。離婚、相続、借金、刑事事件といった法律の悩みは、まさにこのYMYLにあたります。
Googleが「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で示している考え方のうち、法律事務所のホームページに関係が深いのは次の点です。
- E-E-A-T:経験・専門性・権威性・信頼性の観点で、コンテンツの質が判断される。中でも信頼性が最も重要とされている
- 誰が書いたか:作成者を明確にし、経歴や専門分野がわかるようにすることが勧められている
- 何のために書いたか:検索順位を上げるためだけに大量の記事を作ることは、スパムとみなされることがある
弁護士が自分の名前で、実務に基づいて書いた解説は、この考え方とよく合います。法律事務所のSEOでは、「誰が書いた、どれだけ正確な情報か」をホームページ全体で示すことが土台になります。
キーワードの選び方
SEOでは、まず「どんな言葉で検索されたときに見つけてもらいたいか」を決めます。実際の検索数とSEO難易度を見ると、選び方の考え方がわかりやすくなります。
| キーワード | 月間検索数 | SEO難易度 |
|---|---|---|
| 離婚 弁護士 | 18,100 | 41 |
| 離婚 弁護士 費用 | 8,100 | 25 |
| 交通事故 弁護士 | 8,100 | 46 |
| 相続 弁護士 | 3,600 | 36 |
| 相続 弁護士 費用 | 1,600 | 29 |
| 養育費 弁護士 | 590 | 33 |
| 遺留分 弁護士 | 260 | 38 |
| 離婚 弁護士 姫路 | 140 | — |
| 面会交流 弁護士 | 90 | — |
| 交通事故 弁護士 姫路 | 90 | — |
| 相続 弁護士 姫路 | 70 | — |
ラッコキーワードで調べた2025年9月〜2026年8月の平均。SEO難易度は1〜100で、高いほど上位表示が難しい(—はデータなし)。
この表から、次のことが読み取れます。
- 「分野+弁護士」は検索数が多いぶん競争も激しい 全国の大手事務所やポータルサイトと競うことになります。
- 「費用」を含むキーワードは難易度が比較的低い 「離婚 弁護士 費用」は月8,100回検索され、難易度は25です。費用ページや費用の解説コラムで狙う価値があります。
- 地域名を含むキーワードは検索数が少ないが、相談に近い 「離婚 弁護士 姫路」は月140回です。数は少なくても、その地域で相談先を探している人の検索です。
- 細かい論点のキーワードもある 「養育費」「遺留分」「面会交流」など、分野の中の具体的な悩みで探す人もいます。解説コラムのテーマに向いています。
サイト構成:1つの分野に1つのページ
法律事務所のホームページでは、取扱分野ごとにページを分けるのが基本です。「取扱業務」の1ページに離婚・相続・交通事故をまとめて並べるよりも、分野ごとに1ページずつ作ったほうが、それぞれのキーワードで見つけてもらいやすくなります。
| ページ | 役割 | 狙うキーワードの例 |
|---|---|---|
| トップページ | 事務所の概要と、各分野ページへの入口 | 事務所名、「地域名 弁護士」 |
| 取扱分野ページ | 分野ごとの相談内容・解決までの流れ・費用 | 「地域名 離婚 弁護士」「地域名 相続 弁護士」 |
| 費用ページ | 相談料・着手金・報酬金の目安 | 「離婚 弁護士 費用」など |
| 弁護士プロフィール | 経歴・登録年・所属弁護士会・取扱分野 | 弁護士名 |
| 解説コラム | 具体的な悩みや手続きの解説 | 「養育費」「遺留分」「面会交流」など |
| 相談の流れ・アクセス | 予約から面談までと、事務所への道順 | 事務所名+アクセス |
取扱分野ページに入れたい内容
- この分野でよくある相談の例(相談者の状況別)
- 解決までの流れと、かかる期間の目安
- この分野の費用の目安(費用ページへのリンク)
- 担当する弁護士と、プロフィールページへのリンク
- 関連する解説コラムへのリンク
- よくある質問と、問い合わせへの案内
解説コラムの作り方
解説コラムは、取扱分野ページだけでは拾いきれない具体的な悩みで見つけてもらうためのページです。書くときは次の点を押さえます。
- 執筆した弁護士の名前とプロフィールを表示する 記事の冒頭か末尾に、執筆者名とプロフィールページへのリンクを置きます。
- 内容は必ず弁護士が確認する 下書きを制作会社やAIが作る場合も、法律の内容の正確さは弁護士の確認で担保します。
- 根拠を示す 条文や裁判所・官公庁の資料など、根拠となる情報源を示します。
- 法改正に合わせて更新する 古い情報のまま残っている記事は、読む人にとって不利益になります。更新日も表示しておきます。
- 関連する取扱分野ページへつなぐ コラムを読んで「相談したい」と思った人が、分野ページや問い合わせへ進めるようにします。
GoogleはAIの利用そのものを禁止してはいませんが、検索順位を操作する目的で大量のコンテンツを作ることはスパムとみなすとしています。本数を増やすことよりも、1本ずつ正確で役に立つ記事にすることが大切です。
弁護士プロフィールを充実させる
「誰が書いたか」「どんな弁護士か」を示すのがプロフィールページです。弁護士ごとに1ページを作り、次の内容を載せます。
- 氏名と顔写真
- 経歴(出身、登録年、これまでの勤務先など)
- 所属弁護士会
- 取扱分野
- 執筆したコラムの一覧
- 講演・執筆・役職などの活動
あわせて、構造化データ(検索エンジンに情報の意味を伝えるためのコード)で、事務所の名前・住所・電話番号や弁護士の情報を伝えておくと、検索エンジンが内容を正しく理解しやすくなります。schema.orgには法律サービスを表すLegalServiceという型も用意されています。
Googleマップ(MEO)と表記をそろえる
地域で相談を集める事務所は、Googleビジネスプロフィールも整えておきます。ホームページとGoogleビジネスプロフィールで、事務所名・住所・電話番号の表記をそろえておくことが基本です。
Googleのガイドラインでは、弁護士は条件を満たせば個人の専門家としてプロフィールを作れます。一方で、ビジネス名に余計な言葉を入れることは認められておらず、「〇〇法律事務所|離婚に強い」のような名前にするとプロフィールが停止される場合があります。
取扱分野ページとコラムを見直した例
エアライフがSEO対策を担当している地域の法律事務所では、次の順番で取り組みました。
- 取扱分野ページの内容を見直し、実際に検索されているキーワードに合わせて見出しや本文を書き直す
- 先生にこれまでの取扱実績をヒアリングし、事実として書ける範囲で取扱分野ページに書き加える
- その分野の具体的な悩みをテーマにした解説コラムを増やし、取扱分野ページへつなぐ
その結果、対象の分野の検索で大手サイトと順位が並ぶようになり、ポータルサイトや全国規模の大手事務所を除くと、地域内の法律事務所の中で分野1位を取ることができました。新しいページを作るだけでなく、すでにある取扱分野ページを検索のされ方と事務所の実績に合わせて作り直すことが、順位を上げる近道になります。
広告ルールとSEOを両立させる
SEOのために書いたページやコラムも、相談を集める目的があれば弁護士の「広告」にあたると考えておく必要があります。SEOでよく使われる書き方の中には、弁護士の広告ルールでは避けるべきものがあります。
| SEOでよくある書き方 | 法律事務所での書き方 |
|---|---|
| 「〇〇に強い」「〇〇専門」 | 「取扱分野」「取扱業務」と書く。日弁連の指針は「専門」の表示を控えることが望ましいとしている |
| 「地域No.1」「実績多数」 | 最大級の表現は避け、客観的な事実だけを書く |
| お客様の声・事例を多く載せる | 同意を得た実際の事例を、依頼者が特定されない形で書く |
| 「今すぐ相談しないと手遅れ」 | 期限などの事実を、根拠とともに伝える |
広告ルールの詳しい内容は弁護士の広告規制とは|ホームページで書けない表現と表示義務で解説しています。
効果の確かめ方
SEOは、公開してすぐに結果が出るものではありません。Googleサーチコンソールを設定し、どんなキーワードで何回表示され、何回クリックされたかを定期的に確認します。表示はされているのにクリックが少ないページはタイトルを見直し、問い合わせにつながらないページは内容や問い合わせへの案内を見直します。
あわせて、問い合わせのたびに「何を見て連絡したか」を聞いて記録しておくと、どの分野のページが相談につながっているかがわかります。
SEO以外の集客方法との組み合わせ方は弁護士の集客方法7つでまとめています。
エアライフの弁護士・法律事務所向けホームページ制作
エアライフでは、法律事務所のホームページを、取扱分野ごとのページと解説コラムで検索から相談を集める作りで制作しています。キーワードは実際の検索数を調べて選び、コラムは構成と下書きを作ったうえで、先生に確認していただいてから公開します。弁護士ごとのプロフィールページと構造化データで、経歴が検索エンジンやAI検索に正しく伝わる形に整えます。
詳しくは弁護士・法律事務所のホームページ制作をご覧ください。
まとめ
- 法律はGoogleがYMYLとして信頼性を特に重視するテーマ。誰が書いたかを明確にする
- 「分野+弁護士」は競争が激しい。「費用」や細かい論点、地域名を含むキーワードも狙う
- 取扱分野ごとに1ページを作り、解説コラムから分野ページへつなぐ
- コラムは弁護士が確認し、根拠を示し、法改正に合わせて更新する
- プロフィールと構造化データで弁護士の情報を伝え、Googleビジネスプロフィールと表記をそろえる
- SEOの書き方より、弁護士の広告ルールを優先する
出典:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」、Google「Google に掲載するローカル ビジネス情報のガイドライン」、日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」。検索数はラッコキーワードによる。


