「ホームページはあるのに、問い合わせはほとんど紹介かチラシから」。工務店やリフォーム会社では、よく聞く話です。一方で、ポータルサイトや一括見積もりサイトに登録すると問い合わせは入るものの、相見積もりで価格の勝負になりやすく、利益が残りにくいという声もあります。
この記事では、工務店・リフォーム会社が自社のホームページから仕事をもらうための考え方を、国の調査データと、不動産の仕事で多くの施工会社を見てきた経験をもとにまとめます。ホームページに載せる中身と施工事例の見せ方は「工務店・リフォーム会社のホームページに必要なものと施工事例の見せ方」で詳しく解説しています。
リフォームの依頼先は、どうやって決まっているのか
まず、お客様が施工会社をどう探しているのかを、国のデータで確認しておきます。国土交通省の「令和7年度 住宅市場動向調査」(三大都市圏が対象。令和6年4月〜令和7年3月にリフォームした世帯)では、次の結果が出ています。
| 項目 | リフォーム実施世帯の結果 |
|---|---|
| 施工者を探した方法 | 「以前からつきあいのあった業者」が最も多い |
| インターネット等の活用経験はない | 57.0% |
| インターネットを通じた情報収集 | 37.3% |
| インターネットを通じた問い合わせ・資料等の申込み | 10.7% |
リフォームは、今も「付き合いのある業者に頼む」が中心です。ただ、3人に1人以上はインターネットで情報を集めています。紹介や付き合いで声がかかる場面でも、名前を聞いた後にホームページで確かめる人はいます。ホームページは、新しいお客様の入口であると同時に、紹介されたお客様が安心して連絡するための確認先でもあります。
選ばれる会社は「顔が見える」
不動産の仕事をしていた頃、物件のオーナーや買主のお客様が、リフォームや修繕をどこに頼むかを決める場面に何度も立ち会いました。そのなかで、選ばれる会社には共通点がありました。会社のホームページがあり、代表や担当者の顔と名前、持っている資格、これまでの実績が載っていて、施工事例が多いことです。
リフォームは、家の中に職人や担当者が上がる仕事です。金額も小さくありません。お客様は「この会社はちゃんとしているか」と同時に「どんな人が来るのか」を知りたがっています。顔も名前も分からない会社より、「この人が担当してくれる」と分かる会社のほうが、連絡するときの不安が小さくなります。
反対に、ホームページがない、あっても会社概要と電話番号だけ、施工事例が何年も更新されていない、という会社は、紹介されても比べられたときに候補から外れやすくなります。技術があっても、それが見えなければ伝わりません。
ポータルサイト・一括見積もりサイトとの付き合い方
ポータルサイトや一括見積もりサイトは、登録すればすぐに問い合わせが入る可能性がある点で便利です。立ち上げたばかりで実績が少ない時期や、工事が空いている時期の穴埋めには役立ちます。
ただし、こうしたサイトでは、お客様は最初から複数の会社を並べて比べる前提で連絡してきます。会社ごとの考え方や職人の腕は見えにくく、結果として「どこが安いか」で決まりやすくなります。掲載料や成約手数料がかかる仕組みも多く、同じ工事でも自社サイトから入った仕事より手元に残る金額が少なくなりがちです。
おすすめは、ポータルを「入口のひとつ」と割り切り、自社のホームページを本拠地にすることです。ポータルで知ってもらったお客様も、会社名で検索して自社サイトを見に来ます。そこで顔と施工事例がしっかり見えれば、価格以外の理由で選んでもらえる可能性が上がります。
「地域名+工事」で見つけてもらう設計
工務店・リフォーム会社のお客様は、ほとんどが商圏の中にいます。検索も「姫路市 外壁塗装」「〇〇町 キッチン リフォーム」のように、地域名と工事の種類を組み合わせることが多くなります。ホームページは、この組み合わせで見つけてもらえるように作ります。
対応エリアを市町村名で書く
「近隣エリアに対応」ではなく、対応する市町村名をはっきり書きます。主な対応エリアごとに、その地域での施工事例や、地域の住宅の特徴(築年数の古い住宅が多い、海に近く塩害が出やすいなど、実際に見てきたこと)を書いたページを用意すると、地域名で探す人に届きやすくなります。
施工事例に地域名と工事の種類を入れる
施工事例のタイトルや本文に、「〇〇市 築30年 戸建て 浴室リフォーム」のように地域名と工事内容を入れます。事例が増えるほど、さまざまな「地域名+工事」の組み合わせで見つけてもらえる入口が増えていきます。施工事例は、実績の証明であると同時に、検索からの入口にもなります。
工事の種類ごとにページを分ける
水まわり、外壁・屋根、内装、外構など、受けたい工事ごとにページを分け、費用の目安、工期、よくある相談、関連する施工事例をまとめます。「何でもやります」と1ページにまとめるより、お客様が自分の悩みに合ったページにたどり着きやすくなります。
不動産の視点で「どこを・何を」推すかを決める
どのエリアのどの工事に力を入れるかは、勘ではなく地域の事情から決めるのがおすすめです。たとえば、古い戸建てが多く住む人の年齢層が高い地域では、浴室やトイレ、手すりの設置といったバリアフリーや水まわりの相談が多くなります。新しい住宅地では、外構や収納の追加が中心になるかもしれません。賃貸物件が多い地域なら、オーナー向けの原状回復や空室対策のリフォームにも需要があります。
車の通りが多い幹線道路沿いに事務所やショールームがあるなら、看板や外観とホームページの印象をそろえることで、通りがかりに見た人が後で検索したときに「あの会社だ」と分かります。地域の住宅事情や人の流れを踏まえてページを設計すると、同じ予算でも問い合わせにつながるホームページになります。
問い合わせのハードルを下げる導線
リフォームのお客様は、「まだ頼むか決めていない」「いくらかかるか分からない」段階で連絡するのをためらいます。次のような工夫で、最初の一歩を踏み出しやすくします。
- 写真を送って相談できる窓口:フォームやLINEで、気になっている場所の写真を添えて相談できるようにする
- 費用の目安を載せる:工事別のおおよその価格帯を示し、「見積もりを頼んだら高額だった」という不安を減らす
- 相談の流れを書く:問い合わせ後に何が起きるか(現地調査、見積もり、契約するかどうかはその後に決められること)を示す
- 電話番号をスマホで押せる位置に置く:年配のお客様は電話を選ぶことも多いため、どのページからもすぐ電話できるようにする
費用の目安を書くときは、実際より安く見せる書き方にならないよう注意が必要です。価格表示や「No.1」などの表現のルールは「リフォーム会社のホームページ表示ルール」で解説しています。
公開した後に続けること
ホームページは、公開した日が一番中身の少ない日です。工務店・リフォーム会社の場合、続けるべきことははっきりしています。
- 工事が終わるたびに、施工事例を1件ずつ追加する(地域名・工事内容・担当者を入れる)
- お客様の声をいただけたら、ご本人の了承を得て載せる
- 季節の相談(梅雨前の雨漏り点検、冬前の給湯器交換など)に合わせて、お知らせやコラムを書く
- Googleアナリティクスやサーチコンソールで、どのページから問い合わせが来ているかを確認し、反応の良い工事のページを厚くする
忙しい現場の合間に更新するのは大変です。スマホで撮った写真と短いメモを送れば、事例ページに整えてくれる体制を作っておくと、更新が止まりにくくなります。
工務店・リフォーム会社のホームページ集客でよくある質問
紹介だけで仕事が回っています。それでもホームページは必要ですか?
紹介で仕事が回っているうちは、すぐに困ることはないかもしれません。ただ、紹介されたお客様も会社名で検索して確かめることがあります。そのときにホームページがない、情報が古いと、紹介者の信用まで下げてしまうおそれがあります。紹介を受け止める器として、最低限の情報と施工事例は整えておくのがおすすめです。
ポータルサイトはやめたほうがいいですか?
すぐにやめる必要はありません。ポータルからの問い合わせで売上が立っているなら、それを続けながら自社サイトを育て、自社サイトからの問い合わせが増えてきた段階で、ポータルへの掲載を見直すのが現実的です。
施工事例が少なくても集客できますか?
最初は少なくても大丈夫です。今ある事例を地域名と工事内容がわかる形で載せ、工事が終わるたびに追加していきます。1件ごとに担当者のコメントと写真を添えるだけでも、伝わる情報量は大きく変わります。
ホームページから問い合わせが来るまで、どれくらいかかりますか?
地域や工事の種類、競合の多さによって大きく変わるため、一概には言えません。会社名で検索した人や紹介されたお客様の確認先としては公開直後から役に立ちます。「地域名+工事」の検索から見つけてもらうには、施工事例や工事別のページを積み重ねていく必要があります。
まとめ
- リフォームの依頼先は「以前からつきあいのあった業者」が最多。それでも3人に1人以上はネットで情報を集めており、ホームページは入口と確認先の両方の役割がある
- 選ばれる会社は、顔と名前、資格、実績が見え、施工事例が多い
- ポータルや一括見積もりは入口のひとつと割り切り、自社サイトを本拠地にする
- 対応エリアを市町村名で書き、施工事例に地域名と工事内容を入れて「地域名+工事」の入口を増やす
- 写真で相談できる窓口と費用の目安で、問い合わせのハードルを下げる
エアライフでは、工務店・リフォーム会社のホームページ制作を、施工事例の整理や対応エリアの設計から一緒に進めています。不動産の仕事で地域の住宅事情や人の流れを見てきた経験をもとに、どのエリアのどの工事を推すかまでご提案します。


