レストラン、居酒屋、カフェ、ラーメン店、バーなど、お客様に料理や飲み物を出すお店を始めるときに必要になるのが「飲食店営業許可」です。食品衛生法にもとづく許可で、お店の所在地を管轄する保健所に申請し、施設の検査に合格すると許可が出ます。
飲食店営業許可は、試験を受けて取る資格ではありません。お店の設備が決められた基準を満たしているか、食品衛生責任者がいるかなどを保健所が確認し、問題がなければ許可されます。ただし、施設の基準は内装工事の中身に直接かかわります。工事が終わってから「手洗い器が足りない」「シンクの数が足りない」と言われると、やり直しの費用と時間がかかり、オープンが遅れてしまいます。
この記事では、飲食店営業許可の取り方を、申請先と事前相談、申請の時期、必要書類、施設基準、手数料、検査と許可証の交付、有効期間と更新、居抜き物件での注意点、営業届出との違いの順にまとめました。数字や手続きは、厚生労働省の資料と、東京都の各区、京都府、北九州市、堺市などの保健所の公式な案内で確認した内容です。手続きの細かい部分は自治体によって違うため、実際にはお店のある地域の保健所の案内も必ず確認してください。
- 飲食店営業許可が必要になるお店と、申請先の保健所
- 事前相談と、申請の時期の目安(工事完成の10日前ごろなど)
- 申請に必要な書類と、施設の共通基準・業種別基準
- 申請手数料の自治体例と、検査から許可証の交付までの流れ
- 有効期間と更新、居抜き物件の注意点、営業届出との違い
飲食店開業の相談で多い悩み
ご相談者「飲食店営業許可は、工事のどのタイミングで申請すればいいですか。」



「居抜きで前の店の許可をそのまま使えますか。」
飲食店営業許可は、申請の時期や物件の状態で開業日が左右されます。流れと必要書類、費用を順番に見ていきましょう。
飲食店営業許可とは
厚生労働省の「営業許可業種の解説」では、飲食店営業は「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」とされています。ここでいう調理は、その場でお客様に食べてもらう、または短い期間で食べられることを前提に、食品を加工して食べられる状態にすることを指します。レストランや食堂、居酒屋、ラーメン店、そば・うどん店、焼肉店、寿司店、バーやスナックなど、店内で料理や飲み物を出すお店の多くがこの許可の対象です。
喫茶店も飲食店営業にまとめられた
以前は、コーヒーなどの飲み物やお菓子だけを出すお店は「喫茶店営業」という別の許可でした。2018年に改正された食品衛生法が2021年6月1日に施行され、喫茶店営業は飲食店営業に統合されています。愛知県の案内でも、営業許可の業種は34業種から32業種に再編され、喫茶店営業を統合したことで1つの業種で扱える食品の範囲が広がったと説明されています。これからカフェや喫茶店を開く場合も、申請するのは飲食店営業の許可です。
許可が必要になる主なケース
- 店内で料理を作って、お客様に食べてもらう(レストラン、居酒屋、ラーメン店など)
- コーヒーやジュースなどの飲み物を作って出す(カフェ、喫茶店、ジューススタンドなど)
- お酒とおつまみを出す(バー、スナックなど)
- キッチンカーなどの自動車で調理して販売する
- 店内で調理した料理をテイクアウトや宅配で販売する
厚生労働省の解説では、既製品を開封して温めたり盛り付けたりするだけ、冷凍のポテトや唐揚げを揚げるだけ、ご飯を炊くだけといった調理も、「簡易な飲食店営業」として飲食店営業の許可の対象になります。簡易な営業は施設基準の一部がゆるめられていますが、許可が要らないわけではありません。一方で、菓子製造業の許可を取ったお店が、買ってきたお菓子やパンに飲み物を添えて店内で出す場合は、飲食店営業の許可は不要とされています。扱う商品や調理の内容によって必要な許可が変わるため、迷うときは保健所に相談すると確実です。


申請先は保健所。まずは事前相談から
飲食店営業許可は、食品衛生法にもとづいて都道府県知事(保健所を設置する市や東京の特別区では、その市長・区長)が出します。申請書を出す先は、お店の所在地を管轄する保健所です。京都市なら医療衛生センター、東京23区なら各区の保健所というように、窓口の名前は地域によって違います。
事前相談は工事の前に行う
飲食店営業許可で最も大切なのが、内装工事を始める前の事前相談です。板橋区の案内では工事に着工する前に、世田谷区の案内でも工事に着工する前に、設計図などを持って保健所に相談するよう示されています。堺市の案内でも、工事の前に平面図を持って相談することが勧められています。
事前相談では、厨房の配置、シンクや手洗い器の数と位置、冷蔵庫の置き場所、床や壁の材質、トイレや更衣場所などが、施設基準に合っているかを確認してもらえます。世田谷区の案内では、出す料理や営業の形も確認されるとしています。図面の段階で指摘を受けて直せば、工事後のやり直しを防げます。内装業者に任せている場合も、業者と一緒に相談に行くか、保健所の指摘を業者にそのまま伝えられるよう準備しておきましょう。
食品衛生責任者と水質検査も早めに準備する
飲食店営業の許可を取るには、施設ごとに食品衛生責任者を1人置く必要があります。調理師や栄養士などの資格を持っていない場合は、各地の食品衛生協会などが開く講習会を受けて資格を取ります。講習会は日程が決まっていて、すぐに予約が取れないこともあります。板橋区の案内でも、資格者がいない場合は早めに準備するよう書かれています。食品衛生責任者の取り方は、別の記事で詳しくまとめています。
また、水道水ではなく、井戸水や貯水槽の水を使うお店では、水質検査の成績書が必要になります。ビルのテナントで受水槽を使っている場合なども対象になることがあるため、物件の水の引き方を管理会社に確認しておきましょう。
申請の時期は「工事完成の10日前」ごろが目安
申請書を出すのは、内装工事がある程度進み、完成の日が見えてきた段階です。申請の時期の目安は、自治体によって次のように案内されています。
| 自治体 | 申請時期の目安 |
|---|---|
| 東京都板橋区 | 施設工事の完成予定日の10日くらい前 |
| 東京都世田谷区 | 施設・設備の完成予定の10〜14日前 |
| 大阪府堺市 | 遅くとも営業を始める2週間前まで |
申請のあと、保健所の担当者が実際にお店に来て、施設が基準どおりにできているかを検査します。そのため、申請の時期は「工事が終わる少し前」に合わせ、検査の日に施設が完成している状態にしておく必要があります。オープン日から逆算すると、遅くともオープンの2〜3週間前には申請を済ませておくと、検査や許可証の交付まで余裕を持てます。
なお、世田谷区の案内では、窓口に書類を出すほか、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を使ってオンラインで申請することもできると示されています。オンライン申請に対応しているかどうかや、手数料の納め方は自治体によって違うため、事前相談のときに確認しておきましょう。
飲食店営業許可の必要書類
必要書類は自治体によって細かな違いがありますが、主なものは共通しています。ここでは板橋区・世田谷区・堺市・京都府の案内で確認した内容をまとめます。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 営業許可申請書 | 保健所の窓口や自治体のホームページで入手できる。板橋区・世田谷区の案内では1通 |
| 施設の構造及び設備を示す図面 | 厨房や客席の配置、設備の位置がわかる図面。板橋区・世田谷区・堺市の案内では2部 |
| 食品衛生責任者の資格を証明するもの | 食品衛生責任者手帳や調理師免許など。コピー可とする自治体が多い |
| 許可申請手数料 | 申請時に納める。金額は自治体と業種によって違う |
| 水質検査成績書 | 水道水以外の水(井戸水や貯水槽の水など)を使う場合のみ |
| 登記事項証明書 | 法人の場合。法人番号を書けば不要とする自治体もある |
堺市の案内では、図面に加えて付近の見取図も2部必要とされています。京都府の案内では、食品衛生責任者を証明する書類のかわりに誓約書でもよいとされ、上記以外の書類が必要になる場合もあるとしています。営業の内容によって追加の書類を求められることもあるため、事前相談のときに、その保健所で必要な書類の一覧をもらっておくと安心です。
図面は手書きでもよいが、寸法と設備をはっきり書く
施設の図面は、内装業者が作った設計図を使うのが一般的です。保健所は図面を見て、シンクの数や大きさ、手洗い器の位置、冷蔵庫や食器棚の置き場所、厨房と客席の区切りなどを確認します。設備の名前と位置がはっきりわかるように書かれていることが大切です。工事の途中で設備の位置を変えた場合は、図面も直しておきましょう。
施設基準(共通基準と業種別基準)
飲食店営業の許可を取るには、お店の施設が都道府県などの定める施設基準を満たしている必要があります。2021年6月の法改正で、施設基準は全国でそろえられ、すべての許可業種に共通する「共通基準」と、業種ごとの「業種別基準」に整理されました。ここでは島根県の案内で示されている内容をもとに、主なポイントをまとめます。細かな運用は自治体によって違うことがあるため、事前相談で確認してください。
共通基準の主なポイント
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 手洗い設備 | 従業員が手を洗って消毒できる流水式の手洗い設備を必要な数設ける。洗ったあとの手が再び汚れない水栓にする |
| 洗浄設備(シンク) | 食品や器具を洗う設備を、用途に合った大きさと数で設ける。必要に応じて熱湯や蒸気を使えるようにする |
| 排水 | 水を使う場所の床に排水設備を設け、逆流しない配管で施設の外へ流す |
| 冷蔵・冷凍設備 | 食品を温度に合わせて汚染されないように保管できる設備を設ける。洗剤などは食品と分けて保管する |
| 床・壁・天井 | 掃除や洗浄、消毒がしやすい材料と構造にする。水を使う場所の床は水がしみこまない材質で、壁も汚れやすい高さまで水がしみこまない材料にする |
| 換気 | 食品を扱う場所の真上に結露やかびができにくいよう、換気ができる構造にする |
| 更衣場所 | 従業員の人数に合った広さで、作業場に出入りしやすい場所に設ける |
| トイレ | 従業員の人数に応じて設け、作業場を汚さない構造にし、専用の流水式手洗い設備を備える |
| 給水 | 水道水または飲用に適する水を、必要な場所に十分な量で供給できるようにする |
| その他 | 作業や清掃に必要な明るさを確保する。ねずみや虫が入らないようにし、ふた付きなどの汚液や臭いが漏れないごみ容器を置く |
開業準備で特に指摘を受けやすいのが、手洗い設備とシンクです。調理用のシンクとは別に、従業員用の手洗い器が必要になります。トイレにも専用の手洗い設備が必要です。シンクの数(1槽か2槽か)や大きさの扱いは自治体によって違いがあるため、図面の段階で必ず確認しておきましょう。
業種別基準の主なポイント
飲食店営業の業種別基準では、営業の内容に応じて、次のような扱いが示されています。
- 盛り付けや温めなどの簡易な営業(喫茶店を含む)は、衛生上問題がないと認められれば、床や壁の材質、床の排水設備、冷蔵・冷凍設備の置き場所などの基準がゆるめられる。ただし固定の店舗で調理をする場合は共通基準を満たす必要がある
- 生食用食肉(ユッケなど)を扱う場合は、専用の設備や器具を備え、冷蔵は4℃以下、冷凍はマイナス15℃以下で管理できる設備が必要
- ふぐを処理する場合は、有毒な部分を鍵のかかる容器で保管し、専用の器具を備える
- キッチンカーなど自動車で調理する場合は、営業の内容に応じた量の水をためるタンクを備える。島根県の案内では、簡易な営業で約40L、大量の水を使わない営業で約80L、大量の水を使う営業で約200Lが目安とされている
出すメニューによって必要な設備が変わるため、事前相談ではメニューの予定もあわせて伝えておくと、必要な設備を正確に教えてもらえます。
飲食店営業許可の手数料(自治体例)
飲食店営業許可の申請手数料は、自治体ごとに条例で決められています。新規の申請と、許可の期限が来て続ける場合の継続(更新)の申請とで金額が違います。公式な案内で確認できた例をまとめます。
| 自治体 | 新規 | 継続(更新) |
|---|---|---|
| 東京都新宿区 | 18,300円 | 8,900円 |
| 東京都世田谷区 | 18,300円 | (案内ページに記載なし) |
| 京都府 | 17,870円 | 13,400円 |
| 福岡県北九州市 | 16,000円 | 12,000円 |
新宿区と北九州市の案内は、令和3年6月1日時点の手数料として掲載されています。金額は改定されることがあるため、申請前にお店のある自治体の最新の案内を確認してください。堺市の案内では、手数料は申請のときに納め、申請書を受け付けたあとは返金されないとされています。
手数料のほかにかかる費用として、食品衛生責任者の講習会の受講料、法人の場合の登記事項証明書の取得費用、水質検査が必要な場合の検査費用などがあります。申請を行政書士に頼む場合は、別に報酬がかかります。いちばん大きな出費になりやすいのは、施設基準に合わせるための内装工事や設備の費用です。居酒屋を開くときの資金の考え方は、別の記事でまとめています。
営業許可を取るまでの流れ
出すメニューや営業の形を整理しておく
資格がなければ講習会を予約する
工事の前に図面を持って行く
保健所の指摘を図面と工事に反映する
申請書、図面、資格を証明するもの、手数料など
工事完成の10日前ごろが目安
工事の進み具合と完成予定日をもとに調整
営業者が立ち会う。不適合なら改善して再検査
許可書は後日交付され、店内の見やすい場所に掲示する
許可を待つ間に、メニューや仕入れ先、スタッフの準備とあわせて進めておきたいのが、カード・電子マネー・QRコード決済の準備です。決済サービスは申し込みから審査、端末の到着までに日数がかかるので、営業許可の申請と同じころに申し込んでおくと、オープン当日から使えます。初期費用をかけずに始めるなら、カード・電子マネー・QRコードにまとめて対応できる「Airペイ」が候補になります。
検査と許可証の交付
施設の検査
申請を受け付けたあと、保健所の担当者がお店に来て、施設が基準どおりにできているかを確認します。世田谷区の案内では、申請の受付後に工事の進み具合と完成予定日を確認して検査日を決め、検査には原則として営業者の立ち会いが必要とされています。堺市の案内では、検査の日は電気・ガス・水道が使える状態にしておく必要があるとしています。手洗い器から水が出るか、冷蔵庫が動いているかなども見られるため、設備はすべて使える状態にしておきましょう。
検査で基準に合っていない点があると、その場では許可されません。改善したあとに、もう一度検査を受けることになります。オープン日が近いと、再検査の日程によっては開店を延ばさざるを得なくなります。事前相談で指摘された点は、工事の段階で確実に直しておくことが大切です。
許可証の交付と営業開始
検査に合格すると、営業許可が出ます。世田谷区の案内では、検査に合格すると翌平日から営業を始められ、営業許可書は後日、「営業許可書交付のお知らせ」に書かれた日以降に保健所で受け取るとされています。板橋区と堺市の案内では、許可書(許可証)の交付までに1週間から10日ほどかかるとされています。営業を始めてよい日と許可書を受け取れる日の扱いは自治体によって違うため、開店日は保健所と打ち合わせて決めましょう。
受け取った許可証は、店内の見やすい場所に掲示します。京都府や堺市の案内でも、許可証を店内のよく見える場所に掲示するよう示されています。
有効期間と更新
飲食店営業許可には有効期間があります。食品衛生法第55条第3項では、都道府県知事は許可に「5年を下らない有効期間」などの条件を付けられると定められています。実際の有効期間は、施設の状況などに応じて自治体が決め、許可証に許可の期限として書かれます。自分のお店の期限は、許可証で確認してください。
期限が来たあとも営業を続ける場合は、期限が切れる前に継続(更新)の申請をします。茨城県日立保健所の案内では、許可期限満了日の約1か月前に必要な書類をそろえて保健所に出すよう示されています。期限内に更新しないと廃業の扱いになり、営業を再開するには新規の申請が必要になるとされています。新規の手数料は継続よりも高いうえ、改めて検査を受けることにもなります。期限はカレンダーなどに登録して、忘れないようにしておきましょう。
許可を取ったあとの届出
営業を始めたあとも、届け出た内容が変わったときは保健所への届出が必要です。茨城県日立保健所の案内では、法人の商号や所在地、代表者、個人の氏名や住所、お店の名前(屋号)、設備の内容などが変わったときは、すみやかに変更の届出をするよう示されています。変更の程度によっては新規の許可が必要になることもあるため、改装や設備の入れ替えを予定しているときは、事前に保健所に相談してください。お店をやめるときは廃業の届出をします。
居抜き物件で開業するときの注意点
前の飲食店の厨房設備や内装が残っている「居抜き物件」は、工事の費用を抑えて早く開業できるのが魅力です。ただし、営業許可については注意が必要です。
前のお店の許可は引き継げないのが原則
飲食店営業許可は、お店の施設と営業する人(営業者)の組み合わせに対して出されます。そのため、前のお店が許可を持っていても、新しく営業する人がその許可を自分の名義に変えて使うことは、原則としてできません。茨城県日立保健所の案内でも、営業者が変わったときは廃業の届出が必要で、営業者の変更では新規の許可が必要になるとされています。居抜き物件で開業する場合も、基本的には自分の名前で新規の申請をし、検査を受けることになります。
例外として、営業者の相続や、法人の合併・分割の場合は、地位の承継が認められることがあります。また、文京区の案内では、2023年12月13日以降に行われた事業譲渡で、営業の全部を譲り受けた場合は、譲渡契約書などを添えて地位承継の届出ができるとされています。京都府の案内でも、施設を改装せずに前の営業者の了解を得て営業者を変える場合は、承継届を出すと示されています。ただし、これは前の営業者から営業そのものを譲り受ける場合の手続きです。前のお店がすでに閉店していて、設備だけが残っている物件を借りるときは、新規の申請になると考えておきましょう。承継が使えるかどうかは、事前に保健所に確認してください。
設備が今の基準に合っているか確認する
居抜き物件では、残っている設備が、今の施設基準や自分の業態に合っているかの確認が大切です。前のお店が許可を受けていたとしても、手洗い器の数や位置、シンクの数、冷蔵庫の大きさが、新しいお店のメニューに合わないことがあります。たとえば、前が喫茶店で簡易な営業だった物件で本格的な調理をする場合は、設備の追加が必要になることも考えられます。物件を契約する前に、図面や写真を持って保健所に相談し、必要な工事を見積もっておくと、契約後に想定外の出費が出るのを防げます。
営業許可と営業届出の違い
2021年6月1日に施行された改正食品衛生法では、営業許可の業種が見直されると同時に、「営業届出」という制度が新しく作られました。原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられたことにあわせて、保健所が許可業種以外の事業者も把握できるようにするための制度です。
| 項目 | 営業許可 | 営業届出 |
|---|---|---|
| 対象 | 飲食店営業など32の許可業種 | 許可業種以外で、届出の対象になる営業 |
| 施設基準 | 基準を満たす必要があり、検査を受ける | 施設基準はない |
| 有効期間・更新 | 有効期間があり、更新が必要 | 更新は不要 |
| 手数料 | 必要 | 愛知県などの案内では手数料の記載なし(自治体に確認) |
愛知県の案内では、届出の対象の例として、包装された食肉や魚介類だけを売るお店、弁当販売業、野菜果物販売業、コンビニエンスストアなどが挙げられています。厚生労働省の解説では、あんまんや肉まんなどの既製品を蒸して売るだけの場合は、飲食店営業ではなく営業届出の対象とされています。一方で、店内で調理した料理を出すお店は、規模が小さくても営業許可が必要です。自分のお店がどちらにあたるか迷う場合は、保健所に相談してください。
なお、営業許可を取ったお店も、食品衛生責任者を置き、HACCPに沿った衛生管理を行う必要があります。
キャッシュレス決済は開業時に用意しておく
飲食店では、会計のスピードがお客様の満足度と回転率に直結します。ランチタイムのレジ待ちや、グループのお客様の会計に時間がかかると、次のお客様を待たせてしまいます。カードや電子マネー、QRコードで支払えれば、小銭のやり取りが減り、会計を手早く済ませられます。
また、居酒屋やレストランの宴会など、1回の会計の金額が大きくなる場面では、現金しか使えないとお客様が不便を感じることがあります。キャッシュレスに対応しておくと、追加の注文や二次会の利用もしやすくなります。お店の側も、釣り銭の準備やレジ締めの現金の数え作業の手間を減らせます。
決済端末は、iPadやスマートフォンとカードリーダーで使えるサービスが主流です。代表的なのが「Airペイ」と「Square」で、どちらもカード・電子マネー・QRコードにまとめて対応しています。手数料や入金のタイミング、レジや注文管理のアプリとの連携を比べて選びましょう。
夜のお店で使われている主な決済端末
よくある質問
- 飲食店営業許可の申請はいつまでにすればいいですか?
-
自治体によって違いますが、板橋区では工事完成予定日の10日くらい前、世田谷区では完成予定の10〜14日前、堺市では遅くとも営業開始の2週間前までが目安とされています。その前に、工事の着工前に図面を持って保健所に事前相談しておくことが大切です。
- 飲食店営業許可の費用はいくらですか?
-
申請手数料は自治体ごとに決められていて、新宿区・世田谷区では新規18,300円、京都府では17,870円、北九州市では16,000円です。このほか、食品衛生責任者の講習会の受講料や、施設基準に合わせる工事の費用がかかります。
- 申請に必要な書類は何ですか?
-
主なものは、営業許可申請書、施設の構造と設備を示す図面、食品衛生責任者の資格を証明するもの、手数料です。井戸水などを使う場合は水質検査成績書、法人の場合は登記事項証明書が必要になることがあります。
- 許可が出るまでどれくらいかかりますか?
-
申請のあと、施設の検査を受けて合格すれば許可が出ます。世田谷区では検査に合格した翌平日から営業を始められるとされ、許可書の交付までは板橋区や堺市の案内で1週間から10日ほどとされています。
- 居抜き物件なら前のお店の許可をそのまま使えますか?
-
原則として使えません。営業者が変わる場合は、新しく営業する人が新規の申請をします。相続や法人の合併・分割、営業の全部を譲り受ける事業譲渡の場合は、地位承継の届出ができることがあるため、保健所に確認してください。
- 許可の有効期間はどれくらいですか?
-
食品衛生法では、許可に5年を下らない有効期間を付けられると定められています。実際の期限は許可証に書かれています。営業を続ける場合は、期限が切れる前に更新の申請をしてください。
開業準備のご相談はエアライフへ
営業許可の申請と並行して進めておきたいのが、お店の情報をお客様に届ける準備です。飲食店は「近くのランチ」「駅名+居酒屋」などで探されることが多く、オープン前からGoogleマップやホームページ、SNSに情報が出ているかどうかで、立ち上がりの早さが変わります。
エアライフでは、開業前のホームページ制作、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の整備、InstagramなどのSNSの準備まで、オープン前後の集客をまとめてお手伝いしています。メニューや営業時間、写真の見せ方など、お客様が来店を決めるために必要な情報の整理からご相談いただけます。「工事は進んでいるけれど、集客の準備は何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にどうぞ。
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