クレープ屋の開業方法|店舗とキッチンカーの違い・開業資金・必要な許可

クレープ屋の開業方法

クレープ屋は、小さなスペースと少ない設備で始められることから、個人の開業先として人気のある業態です。店舗を借りて営業する方法のほか、キッチンカーで移動販売をする方法もあり、資金や働き方に合わせて形を選べます。

この記事では、クレープ屋の開業方法を、店舗とキッチンカーの違い、開業資金の目安と内訳、必要な許可と資格、立地の考え方、オープン前に準備したい決済と集客まで順番にまとめました。

この記事でわかること
  • 店舗とキッチンカー、それぞれの特徴
  • クレープ屋の開業資金の目安と内訳
  • 必要な営業許可と資格
  • 売れる立地とメニューの考え方
  • キャッシュレス決済と集客の準備
目次

クレープ屋開業の相談で多い悩み

ご相談者

「キッチンカーと店舗、どちらで始めるのがいいでしょうか。」

ご相談者

「出店場所によって売上がどれくらい変わるのか不安です。」

クレープ屋は出店形態と場所選びが売上を左右します。それぞれの費用と、場所の選び方を順番に見ていきましょう。

クレープ屋は店舗とキッチンカーのどちらで始めるか

形よいところ気をつけること
店舗(テイクアウト中心)同じ場所で営業するので常連客がつきやすい。天候の影響を受けにくい家賃がかかる。立地で売上が大きく変わる
店舗(イートイン併設)飲み物と合わせて客単価を上げやすい。ゆっくり過ごしたいお客様も取り込める広い物件が必要。席の分だけ家賃が上がる
キッチンカー人の集まる場所やイベントに出向ける。家賃がかからない車両と架装に費用がかかる。出店場所の確保と天候が売上を左右する

クレープは、鉄板(クレープ焼き器)と冷蔵設備があれば作れるため、小さな店舗やキッチンカーとの相性がよい商品です。いきなり店舗を構えるのではなく、キッチンカーやイベント出店で売れるメニューと価格を確かめてから店舗を持つ人もいます。

キッチンカーでのクレープ販売
キッチンカーでのクレープ販売(イメージ)

クレープ屋の開業資金はどれくらい必要か

日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、すべての業種を合わせた開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。250万円未満で開業した人が20.1%、250万〜500万円未満が21.7%で、500万円未満の開業が4割を超えています。

クレープ屋は必要な設備が少ないため、小さな店舗なら平均より少ない資金で始める人も多い業態です。キッチンカーの場合は、車両と架装(キッチンへの改造)の費用が中心になります。新車か中古車か、キッチン付きの車両を買うか自分で架装するかで、金額が大きく変わります。

店舗の初期費用の内訳

項目内容金額が変わるポイント
物件取得費保証金、礼金、仲介手数料、前家賃人通りの多い場所ほど家賃が上がる
内装・設備工事費カウンター、販売窓口、給排水、電気、手洗い設備テイクアウト窓口だけにするか、席を設けるか
厨房機器クレープ焼き器、冷蔵庫、冷凍庫、作業台、シンク焼き器の台数。中古で抑えられる
備品・資材包装紙、スプーン、生地を広げる道具、ホイッパーオリジナルの包装紙をつくるか
初回仕入れ小麦粉、卵、牛乳、生クリーム、フルーツ、トッピングフルーツの種類と量
許可・講習営業許可の手数料、食品衛生責任者の講習費自治体と許可の種類で手数料が違う
決済・レジキャッシュレス決済端末、POSレジ初期費用をかけずに始められるサービスもある
集客の準備看板、メニュー表、Instagram用の撮影、ホームページ写真映えするメニュー表は店頭の大事な集客装置

キッチンカーの初期費用の内訳

  • 車両の購入費(新車・中古車)
  • 架装費(シンク、給排水タンク、換気扇、電源などキッチンへの改造)
  • クレープ焼き器、冷蔵庫、発電機などの設備
  • 営業許可の手数料と講習費
  • 車両の保険、駐車場代
  • 決済端末、看板、メニュー表

キッチンカーは、営業許可を取る自治体ごとに、車両の設備基準(給水タンクの容量、シンクの数など)が決められています。架装を依頼する前に、営業したい地域の保健所で基準を確認してください。

運転資金の内訳

  • 家賃(店舗)または出店料・駐車場代(キッチンカー)
  • 材料の仕入れ代(フルーツや生クリームは価格が変動しやすい)
  • 水道光熱費、燃料費・発電機の燃料
  • 包装資材、決済手数料、広告費
  • 人件費(スタッフを雇う場合)
  • 融資の返済、自分の生活費

クレープは季節や天候で売上が変わりやすい商品です。夏の暑い日や雨の日、冬の寒い日に客足が落ちることも見込んで、半年分ほどの運転資金を用意しておくと安心です。

クレープ屋の開業に必要な許可と資格

営業許可(保健所)

クレープを作って売るには、保健所の営業許可が必要です。2021年6月の食品衛生法の改正で、営業許可の業種は34種から32種に再編され、一つの許可で扱える食品の範囲が広がりました。

クレープ屋で主に関係するのは「飲食店営業」や「菓子製造業」です。その場で焼いて提供するのか、作ったものを包装して販売するのか、店舗かキッチンカーかによって、必要な許可が変わります。業態と扱う商品を決めたら、工事や架装の前に保健所へ相談し、どの許可が必要かを確認してください。

食品衛生責任者

営業許可や届出の対象になるすべての施設に、食品衛生責任者を置く必要があります。調理師や製菓衛生師などの資格がない場合は、各都道府県の食品衛生協会などが開く1日の講習会を受けると取得できます。

キッチンカーは営業する地域ごとに確認する

キッチンカーの営業許可は、許可を出した自治体の範囲で有効になるのが基本です。複数の市や県をまたいで営業したい場合は、それぞれの地域で許可が必要になることがあります。出店したい地域が決まったら、その地域の保健所に確認しておきましょう。

開業届と青色申告

個人で開業する場合は、税務署に開業届を出します。青色申告承認申請書も一緒に出しておくと、帳簿をつけることで節税の特典を受けられます。

売れる立地とメニューの考え方

人通りと客層を見る

クレープは「通りがかりに見つけて買う」お客様が多い商品です。店舗の場合は、人通りの多さに加えて、どんな人が歩いているかが大切です。

  • 学生が多い場所:駅の近くや学校の通学路。手ごろな価格と、写真映えするメニューが喜ばれる
  • 商業施設や観光地の近く:買い物や観光の合間に食べ歩きをするお客様が多い
  • 住宅街:家族連れや子どもが中心。持ち帰りやすさ、子ども向けの小さめサイズが喜ばれる

キッチンカーの場合は、出店場所をどれだけ確保できるかが売上を左右します。商業施設の駐車場、オフィス街、イベント会場など、出店できる場所を事前に探し、出店料や条件を比べておきましょう。

メニューは看板商品から絞る

開業当初からメニューを増やしすぎると、材料の種類が増え、ロスも出やすくなります。看板になるクレープを中心に、甘いもの・食事系を数種類に絞って始め、お客様の反応を見ながら季節限定メニューなどで変化をつけていくのがおすすめです。

原価と価格のバランス

クレープの原価は、使うフルーツや生クリーム、トッピングで大きく変わります。メニューごとに原価を計算し、利益が出る価格になっているかを確認してください。いちごなどのフルーツは季節によって価格が大きく変わるため、季節ごとにメニューを入れ替えるのも一つの方法です。

クレープ屋の開業資金を集める方法

自己資金

日本政策金融公庫の同じ調査では、開業時の資金調達額は平均1,219万円で、そのうち金融機関などからの借り入れが67.9%、自己資金が22.9%でした。クレープ屋は小さく始めやすいぶん、自己資金の範囲で開業する人も多い業態です。

日本政策金融公庫の創業融資

制度新規開業・スタートアップ支援資金
対象新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額7,200万円
返済期間設備資金20年以内、運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)

売上見込みの立て方(計算の例)

クレープ屋の売上は「1日の販売数×客単価」で考えます。たとえば1日に100個、客単価が600円なら、1日の売上は60,000円です。月に25日営業すると、月の売上は約150万円になります。

ここから材料費、家賃(または出店料)、光熱費、包装資材、返済を引き、手元に残るお金を確認します。数字はあくまで計算の例なので、出店する場所の人通りや、近くのお店の価格を調べて当てはめてください。天候で売上が落ちる日も見込んで、販売数は低めに見積もっておくと安全です。

補助金

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉は、市区町村などの「特定創業支援等事業」の支援を受けた、創業間もない小規模事業者が対象です。2026年の第3回公募では補助上限200万円(インボイス特例で50万円上乗せ)、補助率3分の2でした。看板やチラシ、ホームページなどの販路開拓に使えます。公募の時期は回ごとに違うため、最新の公募要領を確認してください。

クレープ屋の開業までの流れ

店舗かキッチンカーかを決める
コンセプトとメニュー、価格帯を決める
事業計画と資金計画を立てる
物件または車両を探す
保健所に事前相談し、必要な許可と設備の基準を確認する
内装工事または架装を行い、設備をそろえる
食品衛生責任者の講習を受け、営業許可を申請する
仕入れ先を決め、試作を重ねる
集客の準備

Instagram・Googleマップ・看板・メニュー表

税務署に開業届を出し、オープン

流れのなかで後回しにされやすいのが、カード・電子マネー・QRコード決済の準備です。決済サービスは申し込みから審査、端末の到着までに日数がかかるため、営業許可の申請と同じタイミングで申し込んでおくと、オープン当日から使えます。初期費用をかけずに始めるなら、カード・電子マネー・QRコードにまとめて対応できる「Airペイ」が候補になります。

Airペイ(エアペイ)

  • 月額費用・初期費用:0円
  • 決済手数料:0.99%〜3.24%(決済方法による)
  • カードリーダー:無償貸与(iPad・iPhoneは別途必要)
  • 対応する決済ブランド:92種

※2026年10月時点の公式サイトの情報です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

キャッシュレス決済は開業時に用意しておく

クレープ屋のお客様は、学生や若い世代、観光客が多く、スマートフォンのQRコード決済や電子マネーを使い慣れています。現金しか使えないと、手持ちがなくて買うのをやめてしまうお客様が出てきます。会計が早くなれば、混雑する時間の行列も短くできます。

決済端末は、iPadやスマートフォンとカードリーダーで使えるサービスが主流です。代表的なのが「Airペイ」と「Square」で、どちらもカード・電子マネー・QRコードにまとめて対応しています。キッチンカーやイベント出店でも、スマートフォンと持ち運べるカードリーダーがあれば使えます。

夜のお店で使われている主な決済端末

Square(スクエア)

Square 決済端末
  • 月額費用:0円(フリープラン)
  • 対面の決済手数料:2.5%〜
  • カードリーダー:Square リーダー(第2世代)4,980円
  • 入金:みずほ銀行・三井住友銀行なら翌営業日

※2026年10月時点の公式サイトの情報です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

Airペイ(エアペイ)

Airペイ
  • 月額費用・初期費用:0円
  • 決済手数料:0.99%〜3.24%(決済方法による)
  • カードリーダー:無償貸与(iPad・iPhoneは別途必要)
  • 対応する決済ブランド:92種

※2026年10月時点の公式サイトの情報です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

開業前に準備したい集客

Instagramでメニューと出店情報を発信する

クレープは見た目が大切な商品で、Instagramとの相性がよい業態です。メニューの写真や新作、季節限定の情報を発信すると、来店のきっかけになります。キッチンカーの場合は、出店場所と日時をこまめに投稿しておくと、ファンが追いかけて来てくれるようになります。

Googleマップに店の情報を載せる

店舗の場合は、Googleマップに営業時間、定休日、メニューの写真、価格、キャッシュレス決済が使えることを載せておきます。近くでスイーツを探しているお客様に見つけてもらいやすくなります。

よくある質問

クレープ屋は未経験でも開業できますか?

食品衛生責任者は1日の講習で取得できるため、資格の面では未経験でも開業できます。ただし、生地を薄く均一に焼く技術は練習が必要です。開業前に講習やお店での経験を積む人もいます。

店舗とキッチンカーはどちらがいいですか?

同じ場所で常連客をつくりたいなら店舗、家賃をかけずに人の集まる場所へ出向きたいならキッチンカーが向いています。キッチンカーで売れる場所とメニューを確かめてから店舗を持つ方法もあります。

クレープ屋に必要な営業許可は?

その場で焼いて提供するか、包装して販売するか、店舗かキッチンカーかで必要な許可が変わります。業態と扱う商品を決めたら、保健所で確認してください。

開業準備のご相談はエアライフへ

エアライフでは、お店のホームページ制作、Googleマップの整備、Instagramの運用、求人まで、開業前後の集客をまとめてお手伝いしています。「オープンまでに何をそろえればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。

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この記事を書いた人

エアライフ代表。不動産の現場で7年間、SEO・MEOなど様々なWeb集客を実践し、不動産会社が200社以上ある地域で上位表示を実現。現在は姫路を拠点に、中小企業・店舗の集客・採用・調査を支援しています。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランニング技能士2級

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