コインランドリーの開業資金はいくら?初期費用の内訳・資金調達・必要な届出と失敗しないポイント

コインランドリーの開業資金はいくら

コインランドリーは、お客様が自分で洗濯機や乾燥機を使うセルフサービスの事業です。スタッフが常にいなくても営業でき、調理や施術のような専門技術もいりません。土地活用や副業、本業の店舗に併設する形で始める人もいます。

その一方で、洗濯機や乾燥機は高額で、開業資金の大半を機器代が占めます。立地を間違えると、機器代を回収できないまま何年も過ぎてしまいます。「無人で楽に稼げる」というイメージだけで始めるのは危険です。

この記事では、コインランドリーの開業資金の目安と内訳、資金の集め方、法律や届出の扱い、開業までの流れ、無人運営で気をつけたいことをまとめました。

この記事でわかること
  • コインランドリーの開業資金の目安と内訳
  • 融資・リース・補助金での資金の集め方
  • クリーニング業法との関係と、自治体・消防への届出
  • 個人経営とフランチャイズの違い
  • 無人運営とキャッシュレス決済の注意点
目次

コインランドリー開業の相談で多い悩み

ご相談者

「初期費用が大きいと聞いて、回収までどれくらいかかるか不安です。」

ご相談者

「無人営業でも、管理の手間はどのくらいあるのでしょうか。」

コインランドリーは機械代と立地で回収期間が大きく変わります。費用の内訳と、運営の手間を順番に整理します。

コインランドリーの開業資金はどれくらい必要か

日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、すべての業種を合わせた開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。250万円未満で開業した人が20.1%、250万〜500万円未満が21.7%です。

コインランドリーは、この平均よりも大きな資金が必要になる事業です。機器メーカーや不動産・相続の専門メディアなどが公開している目安を見ると、2,000万〜5,000万円程度という幅で紹介されていることが多くあります。金額の幅が大きいのは、次の条件で費用が大きく変わるためです。

  • 店舗を新しく建てるのか、空き店舗を借りるのか
  • 店舗の広さと、置く機器の台数
  • 大型の洗濯乾燥機やふとん用の機器を入れるか
  • ガス乾燥機を使うか、ガスや給排水の工事がどれだけ必要か

メーカーや本部が示す金額は、その会社の機器やプランを前提にしたものです。実際の金額は、物件と機器の構成で見積もりを取って確かめてください。

初期費用と運転資金の2つに分けて考える

開業資金は、オープンまでにかかる「初期費用」と、オープン後に売上が安定するまで店を回す「運転資金」に分けて考えます。コインランドリーは、地域の人に知られて利用が定着するまでに時間がかかります。開業直後の売上が少ない時期でも、家賃や光熱費、リース料、返済は毎月かかります。

コインランドリーの開業資金の内訳

コインランドリーの店内
コインランドリーの店内(イメージ)

初期費用の内訳

項目内容金額が変わるポイント
土地・物件の費用土地の取得や建物の建築、または賃貸の保証金・礼金・仲介手数料自分の土地を使うか、新築か、空き店舗を借りるか
機器代洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、スニーカー用・ふとん用の機器台数と大きさ。開業資金の中で最も大きくなりやすい
設備工事費給排水、ガス配管、電気、排気ダクト、空調ガス乾燥機の台数と、物件にあるガス・水道の容量
内装・外装工事費床、壁、照明、待合スペース、看板デザインへのこだわり、カフェスペースなどを設けるか
精算・決済の設備両替機、集中精算機、キャッシュレス対応の機器現金のみか、キャッシュレスやアプリ会員に対応するか
防犯設備防犯カメラ、照明、遠隔監視の仕組み無人の時間が長いほど重要になる
集客の準備看板、のぼり、チラシ、Googleマップの写真、ホームページオープン前から近隣に知らせると立ち上がりが早い

コインランドリーで最も金額が大きくなりやすいのが機器代です。1台ごとの価格が高いうえ、店の広さに合わせて何台も並べるためです。台数を増やせば売上の上限は上がりますが、そのぶん初期費用も回収にかかる期間も増えます。

運転資金の内訳

  • 家賃(賃貸の場合)、または固定資産税(土地・建物を持つ場合)
  • 水道代、ガス代、電気代
  • 洗剤・柔軟剤の費用(自動投入の場合)
  • 清掃・見回りの費用(自分でやらない場合は委託費)
  • 機器のメンテナンス費・修理費
  • キャッシュレス決済の手数料、システムの月額料金
  • リース料、融資の返済
  • フランチャイズの場合はロイヤリティや本部への支払い

コインランドリーの運転資金で大きいのは、水道光熱費です。とくにガス乾燥機をよく使う冬や梅雨の時期は、売上が増える一方でガス代も増えます。逆に晴れの日が続く季節は売上が落ちることがあります。季節による波を考えて、余裕のある資金計画を立てておきましょう。

コインランドリーの開業資金を集める方法

自己資金

日本政策金融公庫の同じ調査では、開業時の資金調達額は平均1,219万円で、そのうち金融機関などからの借り入れが67.9%(平均827万円)、自己資金が22.9%でした。コインランドリーは開業資金が大きいため、自己資金の割合が低いと借り入れの返済が重くなります。融資の審査でも、自己資金の額は必ず見られます。

日本政策金融公庫の創業融資

制度新規開業・スタートアップ支援資金
対象新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額7,200万円
返済期間設備資金20年以内、運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)

限度額は7,200万円ですが、必ずその額を借りられるわけではありません。事業計画の中身や自己資金、経験などをもとに審査されます。コインランドリーの場合は、なぜその場所なのか、周辺に競合店がどれだけあるのか、どれくらいの利用を見込むのかを、根拠を持って説明できるようにしておきましょう。

リースを使う

洗濯機や乾燥機は、購入せずにリースで導入する方法もあります。初期費用を抑えて手元の資金を残せる一方、毎月のリース料がかかり、支払総額は購入より高くなるのが一般的です。リース期間の途中で解約できない契約も多いので、店を閉めることになった場合の扱いまで確認しておいてください。

売上見込みの立て方(計算の例)

コインランドリーの売上は「機器ごとの1回の料金×1日の利用回数×営業日数」を機器ごとに足して考えます。たとえば、1回800円の洗濯乾燥機が1日に平均4回、1回300円の乾燥機(10分などの単位で課金)が1日に平均10回使われるとします。1日の売上は800円×4回+300円×10回=6,200円です。これを機器の台数分足し、30日をかけたものが月の売上の目安になります。

ここから水道光熱費、洗剤代、家賃、リース料、返済、清掃の費用などを引き、手元に残るお金を確認します。何年で初期費用を回収できるかも計算しておきましょう。数字はあくまで計算の例です。出店する地域の人口や世帯の構成、近くの店の料金を調べて、自分の店に当てはめてください。

補助金・助成金

  • 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉:市区町村などの「特定創業支援等事業」の支援を受けた、創業間もない小規模事業者が対象です。2026年の第3回公募では補助上限200万円(インボイス特例で50万円上乗せ)、補助率3分の2でした。看板やチラシ、ホームページなどの販路開拓に使えます。洗濯機などの機器そのものが対象になるかは公募要領の条件によります。公募の時期や条件は回ごとに違うため、最新の公募要領を確認してください。
  • 市区町村の創業支援:創業セミナーを受けると、登録免許税の軽減や融資の金利優遇を受けられる地域があります。

補助金は先に自分で支払い、あとから一部が戻る仕組みが基本です。開業前の手元資金にはならないので、融資や自己資金とは分けて考えてください。

コインランドリーの開業に資格や許可は必要か

クリーニング業法の対象外とされている

クリーニング店は、クリーニング業法にもとづいて保健所への届出や、クリーニング師の設置が必要です。一方、お客様が自分で洗濯機や乾燥機を使うコインランドリー(コインオペレーションクリーニング)は、クリーニング業法の対象外として扱われています。そのため、開業に必要な国家資格はありません。

ただし、店のスタッフがお客様の洗濯物を預かって洗い、仕上げて返す「洗濯代行」などのサービスを行う場合は、扱いが変わることがあります。クリーニング店の取次ぎを店内で行う場合も同様です。こうしたサービスを考えているなら、事前に保健所へ相談してください。

国の指導要領と自治体の要綱

法律の対象外だからといって、衛生面のルールがないわけではありません。国はコインランドリーの衛生措置について指導要領を示しており、それをもとに多くの都道府県や市が要綱をつくっています。要綱では、たとえば次のような内容が定められています。

  • 施設ごとに衛生管理責任者を置き、氏名と連絡先を店内に掲示する
  • 施設内を毎日清掃し、ふたや取っ手など利用者が触れる部分を清掃・消毒する
  • 乾燥機の燃焼ガスを屋外に出す構造にし、換気を十分に行う
  • 機器の使い方や、洗ってはいけない物(汚物の付いたおむつ、動物の敷物など)を掲示する
  • ドライクリーニング機を置く場合は、有機溶剤の管理責任者を置き、溶剤を適切に保管する

自治体への届出が必要な場合がある

要綱にもとづいて、開設時に保健所などへの届出を求めている自治体があります。たとえば兵庫県は「兵庫県コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生確保に関する要綱」にもとづいて、施設を設置する際の届出を求めています。ただし、神戸市・姫路市・尼崎市・明石市・西宮市は県の要綱の対象外とされており、市ごとに確認が必要です。

このように、届出の有無や窓口は地域によって違います。出店する場所が決まったら、その地域の保健所に確認してください。

ガス乾燥機の設置と消防の手続き

コインランドリーの乾燥機は、ガス式が多く使われています。ガス乾燥機は火を使う設備にあたるため、市町村の火災予防条例で、設置前に消防署へ届け出るよう定められていることが多くあります。たとえば名古屋市では、個人の住居を除くすべての乾燥設備について設置届が必要とされています。

あわせて、ガス配管の工事、排気ダクトの設置、建物の用途に応じた消防用設備の確認も必要です。物件を決める前に、ガス会社や工事業者、消防署に相談しておくと、あとから工事のやり直しが出るのを防げます。乾燥機の排気が近隣の住宅や通行人に向かわないかも確認しておきましょう。

個人経営とフランチャイズの違い

個人経営(独立開業)フランチャイズ
機器や店の自由度機器のメーカーや料金、内装を自分で決められる本部の仕様に合わせることが多い
開業準備立地調査から業者選びまで自分で行う立地調査や店づくりを本部が支援する
費用加盟金やロイヤリティがかからない加盟金や毎月のロイヤリティがかかる場合がある
運営清掃・集金・トラブル対応を自分で手配する運営代行やコールセンターを用意している本部もある

フランチャイズは、未経験でも始めやすい仕組みが用意されている反面、契約内容によって自由度や利益率が変わります。加盟を検討するときは、次の点を必ず確認してください。

  • 収支シミュレーションの根拠(どの店の実績をもとにしているか)
  • ロイヤリティやシステム料など、毎月かかる費用の総額
  • 契約期間と、途中でやめる場合の違約金や機器の扱い
  • 近くに同じチェーンの店が出る可能性(商圏の保護があるか)
  • 清掃やトラブル対応のうち、どこまでを本部が担い、どこからがオーナーの仕事か

コインランドリーの開業までの流れ

開業の目的と予算を決める

土地活用か、副業か、本業との併設か

個人経営かフランチャイズかを決める
立地を調べる

周辺の世帯数、競合店、駐車場の入りやすさ

機器の構成を決め、複数の業者から見積もりを取る
事業計画と資金計画を立て、融資・リース・補助金の相談をする
保健所(要綱の届出の有無)・消防署・ガス会社に事前相談する
物件の契約または建築、設備・内装工事を行う
機器を設置し、消防や保健所などへの届出を済ませる
清掃・集金・トラブル対応の体制をつくる
集客の準備

看板・Googleマップ・チラシ・ホームページ

試運転で動きを確認し、オープン

コインランドリーは無人の機器で精算することが多いため、決済の方法は洗濯機・乾燥機や精算機の選定と一緒に、開業準備の早い段階で決めておきます。

無人機のキャッシュレスは機器・精算機側で対応する

コインランドリーの洗濯機や乾燥機は、硬貨で動くタイプが長く使われてきました。最近は、電子マネーやQRコード、アプリでの支払いに対応した機器や集中精算機を用意するメーカーが増えています。既存の洗濯機・乾燥機にIoT端末を後付けして、キャッシュレス決済や会員ポイント、売上の遠隔確認に対応できるサービスも登場しています。

対面の会計がある店は決済端末も用意する

カフェやスニーカー洗い、洗濯代行の受付カウンターを併設している店、洗剤やグッズを販売する店では、スタッフが受け取る会計が発生します。こうした会計にカードや電子マネー、QRコードで対応できると、現金を持たないお客様も利用しやすくなります。

無人運営で気をつけたいこと

完全に放っておける事業ではない

コインランドリーはスタッフが常にいなくても営業できますが、毎日の清掃や、乾燥機のフィルター掃除、両替機や精算機の集金、洗剤の補充などは欠かせません。前述の要綱でも、施設内の毎日の清掃が求められています。自分で回れない場合は、清掃や管理を委託する費用を見込んでおきましょう。

トラブルへの対応を決めておく

機器が動かない、お金が戻らない、洗濯物の取り違えや置き忘れなど、利用者からの問い合わせは必ず発生します。連絡先の掲示、電話を受ける体制、返金の方法をあらかじめ決めておくと、口コミでの悪い評価を防げます。

防犯対策をしっかり行う

無人の時間が長い店では、盗難やいたずら、長時間の居座りなどのリスクがあります。防犯カメラの設置、夜間も明るい照明、営業時間の設定、精算機の現金をこまめに回収することなどで、被害を防ぎましょう。キャッシュレス決済の割合が増えれば、店に置く現金を減らすことにもつながります。

Googleマップで見つけてもらう

コインランドリーを探す人の多くは、スマートフォンで「近くのコインランドリー」と検索します。Googleマップに、営業時間、機器の種類と料金、駐車場の有無、店内の写真を載せておくと、初めてのお客様にも選ばれやすくなります。ふとんやスニーカーを洗える機器があるなら、それも写真で伝えましょう。

よくある質問

コインランドリーの開業に資格は必要ですか?

お客様が自分で機器を使うコインランドリーは、クリーニング業法の対象外とされており、国家資格は必要ありません。ただし、自治体の要綱で届出や衛生管理責任者の設置が求められる場合があります。洗濯代行などを行う場合は扱いが変わることもあるので、保健所に確認してください。

空き店舗を借りて開業できますか?

できます。ただし、給排水やガス、電気の容量、乾燥機の排気を外に出せるかなど、設備の条件が合うかを確認する必要があります。工事費がかさむ場合もあるので、契約前に工事業者に見てもらいましょう。

無人でも営業できますか?

常にスタッフを置かずに営業している店は多くあります。ただし、清掃、集金、補充、トラブル対応は必要です。自分で対応するか、管理を委託するかを決めて、その費用も計画に入れてください。

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この記事を書いた人

エアライフ代表。不動産の現場で7年間、SEO・MEOなど様々なWeb集客を実践し、不動産会社が200社以上ある地域で上位表示を実現。現在は姫路を拠点に、中小企業・店舗の集客・採用・調査を支援しています。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランニング技能士2級

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